11月23日 色暦 深緋 (こきひ)

11月23日の、色暦
深緋(こきひ)
「働く手に、静かな誇りが灯る。」
深緋は、茜と紫草を重ねて染めることで生まれる、紫みを帯びた暗い赤色。10世紀の法典『延喜式』では、紫に次ぐ高位の朝服の色とされ、格式と敬意を象徴する色でした。その深みは、華やかさではなく、内に秘めた力を語ります。
11月23日は「勤労感謝の日」。働くことの尊さ、手の温もり、日々の営みに感謝する日です。深緋は、そんな一日を静かに彩る色。派手ではないけれど、確かな存在感を持つ。茶室の炉、職人の手、母の赤い割烹着——深緋は、暮らしの中にある誇りの色です。
WABISUKEの哲学においても、「語られない美」「働くことの詩性」は重要なテーマ。深緋は、まさにその象徴。空間に深みを与え、日々の営みに敬意を添える色です。
この色は、侘び寂びの「侘」にも通じます。控えめでありながら、確かな熱を持つ。働くことの美しさを、静かに語る色です。
参考文献
• 『延喜式』朝服の色階位
• 深緋 – 色彩101®
• 『伝統色のいろは』irocore.com