STORIES

  • 布に宿る記憶  世界の民族衣装と着物の未来

        布に宿る記憶──世界の民族衣装と着物の未来 1. はじめに:衣装は文化の記憶装置 人はなぜ、布を纏うのか。寒さを凌ぐため、身分を示すため、儀礼を守るため──その理由は多様でありながら、根底には「記憶を残す」という営みがある。民族衣装とは、単なる服飾ではない。土地の風、祈りの声、祖先の...
  • 『色に宿る言葉、言葉に染まる命』 志村ふくみの世界

    「色に宿る言葉、言葉に染まる命」—志村ふくみの世界 秋の霞が庭先に漂う頃、志村ふくみさんの織物に触れると、季節の気配が糸の奥から立ち上がってくるような錯覚に満ちている。 桜の花びらで染めた糸は、一時花の色独特ではない。 それは、花が咲く前の静けさ、散った後の余韻、そして人の記憶に残る「桜」...