-
by kataokatetsuya
色暦|10月12日の色:萱草色(かんぞういろ)
忘れ草とも呼ばれる萱草(カンゾウ)の花。その橙色は、悲しみを忘れさせるという古の言い伝えを持ちます。
萱草色は、黄丹よりもやわらかく、夕暮れの空に溶けるような、静かな希望の色。
誰かの心に、そっと寄り添うように。言葉にならない感情を、やさしく...
-
by kataokatetsuya
色暦|10月11日の色:蘇芳(すおう)
古布のような渋い紅色。それは、華やかさを脱ぎ捨てたあとの、静かな深み。
蘇芳は、古代インドから伝わった染料の名でもあり、時を越えて、記憶と感情を染める色として受け継がれてきました。
紅樺の決意のあとに訪れる、少しの余韻。それは、言葉にならない思いを、...
-
by kataokatetsuya
色暦|10月10日の色:紅樺(べにかば)
焼きりんごのような赤茶が、静かに空気を染める。誰にも見られず、ひと枝だけ色づいた紅樺。
この色は、秋の深まりとともに現れる静かな決意の象徴。華やかさではなく、内に秘めた強さを感じさせる色です。
紅は情熱、樺は白樺のような静けさ。ふたつが重なるとき...
-
by kataokatetsuya
色暦|10月9日
今日の色:黄丹(おうに)
黄丹は、古代の衣に使われた格式ある色。赤みを帯びた橙色で、太陽の残照のような温かさを持っています。平安の貴族が身につけた黄丹は、位と光を象徴する色でもありました。
色の物語
夕暮れの空に、最後まで残る光。誰かの背中をそっと照らすような、静かな勇...
-
by kataokatetsuya
今日の色:照柿(てりがき)
てりがきは、熟した柿が陽に照らされて輝くような、艶やかな赤橙。秋の実りの中でも、特に「光を帯びた果実」のような存在感を持つ色です。
色の物語
この色は、夕暮れの縁側で食べる甘い柿の記憶。祖母の手の温もり、風に揺れる暖簾、遠くで鳴る虫の声――そんな静かな時間の中に...
-
by kataokatetsuya
色暦とは?—色で綴る、季節と心の物語
はじめに:暦に、色を添えるということ
暦とは、時間の流れを記すもの。色とは、感情や風景、記憶を映すもの。「色暦(いろごよみ)」は、その二つが静かに重なり合う場所です。
それは、季節の移ろいを色で感じ、心の揺らぎを色で記す、詩的な時間の記録。日本の伝統色...
右と左の矢印を使ってスライドショーをナビゲートするか、モバイルデバイスを使用している場合は左右にスワイプします