STORIES

  • 華道と間の思想ー沈黙の美をいける

      華道と「間」の思想──沈黙の美をいける 華道とは、単に花を美しくいける技術ではありません。それは、自然と人との関係性を見つめ直す、深い哲学でもあります。その根底にあるのが、日本文化に特有の「間(ま)」の思想です。 「間」とは、単なる空白や隙間ではなく、音と音のあいだ、言葉と沈黙のあいだ、...
  • 和菓子と歳時記: 季節をたべる、ちいさな魔法

    和菓子と歳時記:季節をたべる、小さな魔法 春は、ふわりと舞う桜の花びら。夏は、すいかの種を数えながら、風鈴の音に耳をすませて。秋は、金木犀の香りに包まれて、ほっこりお月見。冬は、こたつの中で、雪のように白いお餅をほおばる。 そんな季節の移ろいを、そっと包み込んでくれるのが「和菓子」です。 ...
  • 清水寺、ひとしずくの記憶

    清水寺、ひとしずくの記憶 朝霧がまだ坂道に残る頃、私は清水坂をひとり歩いていた。石畳の隙間から覗く苔が、まるで時の記憶を語るように静かに揺れている。 仁王門をくぐると、空気が変わった。人の声は遠く、風の音だけが思い出に残る。三重塔が朝日に染まり、朱が金に変わる瞬間、私は気にせず、ただその美...
  • 願いの梅、撫で牛のひみつ 北野天満宮で出逢った小さな奇跡

    春の京都。まだ少し肌寒い風が頬を撫でる朝、WABISUKEの小さな旅人・すけちゃんは、ふわふわの梅色のマフラーを巻いて北野天満宮へ向かっていました。空は淡い水色で、雲の切れ間から差し込む光が、まるで今日の小さな冒険をそっと応援してくれているようでした。 「今日こそ、願いが届きますように…」 ...
  • 鈴虫がささやく願いの寺:京都.華厳寺で出逢った小さな奇跡

    鈴虫がささやく願いの寺:京都・華厳寺で出逢った小さな奇跡 ある秋の午後、京都の西山にある小さな寺向かいました。 名前は「華厳寺」。でも、地元の人も旅人も、みんなこう呼びます——「鈴虫寺」。 その名の通り、境内には一年中、鈴虫の声が響いています。秋だけじゃないの?と不思議に思いながら、石段を...
  • ちいさな旅、ちいさな気づき。知恩院で見つけた こころの余白

     ちいさな旅、ちいさな気づき。知恩院で見つけた「こころの余白」 こんにちは、WABISUKEです。今日は、京都のまん中に出会って、ちょっと不思議で、とても素敵な場所のお話。 その名は「知恩院」。東山のやわらかな風に包まれて、まるで時間がふわっと入ってみたい。 大きな三門をくぐると、石畳のリズ...
  • 苔の上の小さな宇宙ーWABISUKEの(お坊さんがま口)

    苔の上の小さな宇宙——WABISUKEの「お坊さんがま口」 森の静けさに包まれた苔のベッドの上、ちょこんと座るがま口。その姿はまるで、ひとときの読経にふける小さなお坊さんたち。 WABISUKEが贈るこのオリジナルがま口は、浄土宗のお坊さんをモチーフにした、ちょっぴりユニークで、ものすごく...
  • 国宝となった傾斜の記憶ー京都.インクラインに寄せて

    国宝となった最高峰の記憶──京都・インクラインに集まって 2025年8月27日、京都の静かな坂道に、一つの朗報が降り立った。南禅寺水路閣とともに、蹴上のインクラインが国宝に指定されたのです。それは、明治の息吹を今に伝える石畳の展望鉄道。 感謝に刻まれた時の流れ インクラインとは、船を台車に...
  • 千本鳥居の魔法に包まれて

    千本鳥居の魔法に包まれて 〜願いときらめきの、伏見稲荷さんぽ〜 京都の朝、少し早起きして、赤い鳥居の世界へ。JR稲荷駅を降りた瞬間、目の前に現れる大きな鳥居。 まるで物語の扉みたい。 ドキドキしながら一歩踏み出し、そこはもう別世界。 朱色に染まる参道を歩いていくと、きつねさん達が出迎えてく...
  • 氷室池に映る平安の記憶ー勧修寺に宿る、静さのかたち

    氷室池に映る平安の記憶——勧修寺に宿る、静けさの形 京都・山科。地下鉄の駅を降りて、住宅街を抜けた先に、時代層が静かに渦巻いている寺がある。 境内の中心に広がるのは「氷室池」。平安時代、この池に張った氷を宮中に献上し、五穀豊穣を占ったという伝承が残る。水面は、そのだけの鏡ではない。季節の移...
  • (かましきさん) と信長の祈り ー 伏見に残る、身代わりの美

    「かまきさん」と信長の祈り——伏見に残る、身代わりの美 京都・伏見。丹波橋の駅からほど近く、喧嘩を離れた路地にひっそりと佇む寺がある。勝念寺——地元では「かましきさん」と呼ばれ、江戸時代から人々の祈りを受け入れてきた場所。 この寺には、一つの仏像が祀られている。釜敷地蔵尊。地獄で釜の責めに...
  • 斎王の悲しみと黒木の鳥居 ー 野宮神社(嵯峨野)

    黒木の鳥居と斎王の——祈り嵯峨野に残る、静かな別れの記憶 嵯峨野の竹林を抜けた先に、時を超えた祈りの場所がある。 朱ではなく、黒木の鳥居が語るのは、別れではなく始まりの物語。 野宮神社——その名に宿るのは、伊勢へ向かう皇女「斎王」が身を黒くした神聖な記憶。 木鳥居は、樹皮を残したままのクヌ...