STORIES

  • 11月9日 色暦 紅樺色 (べにかばいろ)

    11月9日の、色暦 紅樺色(べにかばいろ) 「木肌に宿る、命の記憶。」 紅樺色(べにかばいろ)は、樺の木が紅葉するような、深みのある赤褐色。紅葉の燃えるような華やかさとは違い、幹や枝に残る静かな温もりを感じさせる色です。 この色には、木の記憶が宿っています。葉が落ちた後も、樹皮に残る紅の気...
  • 昭和の暮らしと心を映すアニメ 『ゲゲゲの鬼太郎』と妖怪文化の記憶

      昭和の暮らしと心を映すアニメ:『ゲゲゲの鬼太郎』と妖怪文化の記憶 夜の路地裏、誰もいないはずの畳の部屋に、ふと感じる気配。昭和という時代には、「見えないもの」と共に暮らす感覚が、日常の中に自然に息づいていた。『ゲゲゲの鬼太郎』は、そんな感覚をアニメという形で可視化し、文化として残した作品...
  • 『文化は五感で語れるか?』

      :文化は五感で語れるか?—日本と世界の“当たり前”をめぐる旅— 1. はじめに:違いは驚きではなく、発見 旅をすると、五感がざわめく。音が違う。匂いが違う。人との距離が違う。そして、自分の「当たり前」が揺らぐ。 それは不快ではなく、むしろ発見に近い。文化とは、五感で感じるものなのかも...
  • 11月8日 色暦 鉛色 (なまりいろ)

    11月8日の、色暦 鉛色(なまりいろ) 「空が重たくなると、心は静かになる。」 今日の空は、鉛色。曇天の広がる空は、まるで季節の深呼吸のように、静かに、重たく、そして穏やかに降りてくる。 鉛色(なまりいろ)は、金属の鉛に由来する、灰色に少し青みを帯びた鈍い色。光を吸い込むような質感があり、...
  • 季節の色を、誰かに渡すということ

    季節の色を、誰かに渡すということ — 色に宿る気配と、贈りものの余白 — 季節には、色がある。春の霞色、夏の青藍、秋の朽葉、雪白。それらは、ただの視覚情報ではなく、冬の記憶や気配、感情のかけらを運ぶもの。 そしてその色を、誰かに渡すということは、自分の感じた季節の一部を、そっと手渡すことで...
  • 布に宿る記憶のかけら

    布に宿る記憶のかけら — がま口とポーチが語る、静かな物語 — 布には、記憶が宿る。それは、誰かが触れたときの温度かもしれないし、長く使われたことで生まれた、柔らかな折り目かもしれない。あるいは、贈られた瞬間の沈黙や、しまわれたままの時間の重みかもしれない。 WABISUKEが紡ぐがま口や...
  • 11月7日 色暦 霜色 (しもいろ)

     11月7日の、色暦 霜色(しもいろ) 「静けさが、白く降りてくる。」 朝、庭の草木にうっすらと霜が降りているのを見つけたとき、季節がそっと衣替えを始めたことに気づく。今日の色は「霜色(しもいろ)」――白に近い淡い灰青色。冷たさの中に、静けさと透明感が宿る色。 霜色は、冬の入口に立つ色。ま...
  • 11月6日 色暦 薄柿 (うすがき)

    11月6日の、色暦 薄柿(うすがき) 「熟れた果実のように、季節は静かに甘くなる。」 庭先の柿が、陽に透けてやわらかく色づく頃。今日の色は「薄柿(うすがき)」――熟した柿の果肉を思わせる、やさしい橙色。 この色には、秋の終わりに差し込む光のぬくもりがある。強すぎず、淡すぎず、ちょうどよいや...
  • 『じゃりん子チエ』と大阪の下町文化

      昭和の暮らしと心を映すアニメ:『じゃりん子チエ』と大阪の下町文化 「なんでやねん!」という声が飛び交う商店街。鉄板の上でジュウジュウと焼かれるホルモン。路地裏に響く笑い声と、時折混じる喧嘩の声。そんな大阪の下町の風景を、まるごとアニメにしたような作品が『じゃりん子チエ』です。 昭和の暮...
  • サザエさんに見る家族のかたち

    昭和の暮らしと心を映すアニメ:サザエさんに見る家族のかたち 日曜の夕暮れ、ちゃぶ台を囲む家族の笑い声。畳の匂い、縁側に差し込む西日、湯気の立つ味噌汁。そんな風景が、テレビの画面越しに日本中の心を温めてきました。『サザエさん』は、ただのアニメではありません。昭和という時代の「暮らし」と「心」...
  • 言葉にならないものを、包む

    言葉にならないものを、包む — がま口とポーチに宿る、静かな贈りものの哲学 — 「ありがとう」でも「ごめんね」でも、もっと安心で、もっと深い感情。その気持ちを、どうやって誰かに渡せばいいのだろう。 WABISUKEは、そんな「語られない想い」を、が口やポーチという形に託します。 それは、言...
  • 11月5日 色暦 藍墨茶 (あいすみちゃ)

     11月5日の、色暦 藍墨茶(あいすみちゃ) 「静けさは、色にも香る。」 秋の夜が深まる頃、灯りを落とした部屋に広がる静寂。今日の色は「藍墨茶(あいすみちゃ)」――藍と墨が溶け合ったような、深く渋い茶色。 この色には、夜の読書や筆を走らせる時間の気配がある。墨の香、藍染の布、古い書物の紙の...