俗を離れて、俗を用いる ー 与謝蕪村とWABISUKEのまなざし

「俗を離れて、俗を用いる」——与謝蕪村とWABISUKEのまなざし
春の堤に立ち止まり、遠く家路を見つめる。
その一瞬に、風は詩となり、日常は絵画となる。
与謝蕪村は、そんな瞬間を生きた人でした。
江戸中期の俳人・画家である蕪村は、「俗を離れて、俗を用いる」という言葉を遺しました。
それは、日常の喧騒から一歩距離を取りながらも、そこに宿る美しさを見逃さないという態度。
まさに、WABISUKEが目指すものづくりの姿勢と重なります。
私たちが扱う布、香りや言葉——それらはすべて、日々の暮らしの中にある「俗」そのもの。
しかし、その「俗」をただの消費ではなく、詩的な体験へと昇華させること。
それが、WABISUKEの使命です。
蕪村は俳句と絵画を融合させ、「俳画」という新たな表現を生み出しました 。
言葉と筆の流れを一致させ、風景の中に詩情を宿す。
その姿勢は、私たちが色や形、言葉を選ぶときの指針にもなります。
菜の花や月は東に日は西に
——与謝蕪村
この句に描かれるのは、夕暮れの菜の花畑。
東に月、西に太陽——自然の対話が、静かに広がる。
WABISUKEのプロダクトもまた、こうした「静かな対話」を生み出す存在でありたいのです。
蕪村の俳句には、庶民の暮らし、旅の風景、季節の移ろいが淡々と描かれています。
しかしその中には、深い哲学と、自由な心が息づいています。
「娑婆に生きながら、娑婆に囚われない」——そんな境地を、私たちも目指します 。
WABISUKEは、100年先の美意識を育てるブランドです。
蕪村のように、日常を見つめ、そこに詩を見出す。
そのまなざしを、布に、香りに、そして言葉に込めていきます。
今日もまた、春の堤に立ち止まり、風を感じるように。
日常の中に、詩を見つける旅を、あなたと共に。