11月25日 色暦 海松色 (みるいろ)


11月25日の色暦

海松色(みるいろ) - Miru-iro

「海の底で、静けさがゆれている。」


色の紹介

海松色(みるいろ)は、深い緑がかった褐色。
その名は、海藻の一種「海松(みる)」に由来します。
古くは平安時代の装束にも使われ、落ち着きと深みを感じさせる色として親しまれてきました。


季節とのつながり

11月25日は、冬の気配が濃くなる頃。
海辺では冷たい風が吹き、波の音が静かに響きます。
そんな季節に、海松色はぴったりの色。
冬の海に漂う静けさと、そこに息づく生命の余韻を映し出します。


詩的な意味

海松色は、侘び寂びの「寂」に寄り添う色です。
目立たず、語らず、ただそこにある。
それでも確かに、深く、静かに、存在している。
WABISUKEが大切にする「語られないものの美」を体現する色でもあります。


暮らしの中の海松色

・使い込まれた竹籠の艶
・冬の海藻を干す網の影
・古い木の器に残る手の跡

海松色は、時間とともに深まる美しさを教えてくれます。
それは、日々の暮らしの中にある「静かな詩」です。


参考文献

• 『日本の伝統色』 紫紅社
• 『色彩の日本文化史』 吉川弘文館
• 「伝統色のいろは」 https://irocore.com/海松色