STORIES

  • 秋田犬と暮らすポーチ  忠犬の記憶を、手のひらに

      秋田犬と暮らすポーチ──忠犬の記憶を、手のひらに 森の中の苔むす小道に、ぽつんと置かれた小さながま口ポーチ。黒地に映えるのは、くるんとした尻尾、つぶらな瞳、そしてどこか誇らしげな表情の秋田犬たち。WABISUKEが描いたオリジナルの秋田犬柄が、帆布に染められて、がま口ポーチという形になっ...
  • 色暦 10月29日の色  木蘭色 (もくらんいろ)

     色暦|10月29日の色:木蘭色(もくらんいろ) 木蘭の花のような、やわらかな黄茶──「木蘭色(もくらんいろ)」は、中国渡来の木蘭(モクレン)の樹皮を染料としたことに由来する、わずかに赤みを帯びた黄褐色。香色や黄橡(きつるばみ)にも近い、品のある薄茶系統の色です。  色の特徴 • 読み方:...
  • 静けさの中の宇宙  茶の湯の所作に宿る美

      静けさの中の宇宙──茶の湯の所作に宿る美 「すっ…」「ことん」「ふわり」畳に足袋が触れる音。茶杓が茶碗に置かれる音。湯気が立ちのぼる気配。それらはすべて、茶の湯の所作が奏でる無言の詩である。 一歩、茶室へ──畳の音が誘う世界 茶室の入り口に立つと、まず空気が変わる。外界の喧騒は、にじり口...
  • 色暦 10月28日の色  薄香 (うすこう)

     色暦|10月28日の色:薄香(うすこう) 香の煙のように、ふわりと漂う淡い黄茶──「薄香(うすこう)」は、香木の丁子(ちょうじ)や木蘭などを煮出して染めた布に、ほのかに残る香りから名づけられた色。平安時代の貴族たちが好んだ、品のある柔らかな色合いです 。  色の特徴 • 読み方:うすこう...
  • 午後三時の抹茶と、世界の静かな裂け目について

    午後三時の抹茶と、世界の静かな裂け目について 午後三時、僕は茶室にいた。正確に言えば、茶室のような場所にいた。畳の匂いがして、障子から差し込む光がやけに柔らかくて、そこには時間の流れが、ほんの少しだけ違う速度で進んでいるような気がした。 茶の湯というのは、奇妙な儀式だ。湯を沸かして、茶を点て...
  • WABISUKE よくあるご質問 

    WABISUKE よくあるご質問 1. 商品について Q:WABISUKEの商品はどこで作られていますか?A:すべての商品は、日本国内の職人や工房と連携し、素材の記憶と贈る哲学を大切にしながら製作しています。布や色には、季節や土地の物語が宿っています。 Q:布や色には意味がありますか? A ...
  • 一丈四方の宇宙  『方丈記』が語る、無常と暮らしのかたち

     一丈四方の宇宙 — 『方丈記』が語る、無常と暮らしのかたち 「ゆく河の流れは絶えずして、先に水にはあらず。」この一文に触れたとき、私たちは何を思っているのだろうか。それは、ただの古典文学の許しではない。時を越えて、今を生きる私たちの心に触れる、静かな問いかけである。 『方丈記』は、鎌倉時...
  • 色暦 10月27日の色  鳩羽鼠 (はとばねず)

     色暦|10月27日の色:鳩羽ネズミ(はとばねず) 鳩の羽に宿る、静かな灰紫── 「鳩羽ネズミ(はとばねず)」は、藤色にネズミ色をかけたような、赤みを呈した灰紫色。江戸後期に流行した「○○ネズミ」系のひとつで、知性と沈静の美学を映す色です。 「鳩羽」は山鳩の背羽の色に由来し、『手鑑模様節用...
  • 菅原道真  詩魂と怨霊のはざまで

      菅原道真──詩魂と怨霊のはざまで 平安時代、学問と詩の神として今も崇敬される菅原道真。その生涯は、栄光と悲劇、そして神格化という数奇な運命に彩られています。この記事では、道真の人物像と、彼が遺した文化的・精神的遺産をひもときながら、現代におけるその意味を探ります。  学問の神、詩の人 道...
  • 10月26日 色暦のひとしずく  芥子色 (からしいろ)

    10月26日 色暦のひとしずく:芥子色(からしいろ) 芥子色とは 芥子色(からしいろ)は、芥子の種のような黄みがかった色です。 • 境界:からしいろ• 色の印象:芥子の種のような黄色、ぴりっとした余白• 色言葉:刺激、個性、余白、潔さ 芥子色が語る今日の備忘録 10月26日は、秋が終わるつつ...
  • 鴇色に染まる記憶  トキと再生の哲学

      鴇色に染まる記憶―トキと再生の哲学 田んぼの水面に、淡い桃色が揺れる。それは夕焼けでも、花びらでもなく――トキ。かつて日本の里山に舞っていたこの鳥は、絶滅の淵から再び空へと舞い戻った。その羽ばたきは、失われた風景の記憶を呼び起こし、未来への希望をそっと手渡す。 鴇色の羽根に宿る命 トキ...
  • 風をまとう孤高の影  イヌワシと空の哲学

     風をまとう孤高の影——イヌワシと空の哲学 山の稜線をなぞるように、ひとすじの影が翔ぶ。それは風趣か、記憶の化身か——イヌワシ。日本列島の山岳地帯にのみ生息する亜種「ニホンイヌワシ」は、空と森の境界に生きる、孤高の猛禽です。 森の王者、その静かな存在感 イヌワシ(Aquila chrys...