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by kataokatetsuya
色暦|10月27日の色:鳩羽ネズミ(はとばねず)
鳩の羽に宿る、静かな灰紫── 「鳩羽ネズミ(はとばねず)」は、藤色にネズミ色をかけたような、赤みを呈した灰紫色。江戸後期に流行した「○○ネズミ」系のひとつで、知性と沈静の美学を映す色です。
「鳩羽」は山鳩の背羽の色に由来し、『手鑑模様節用...
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by kataokatetsuya
菅原道真──詩魂と怨霊のはざまで
平安時代、学問と詩の神として今も崇敬される菅原道真。その生涯は、栄光と悲劇、そして神格化という数奇な運命に彩られています。この記事では、道真の人物像と、彼が遺した文化的・精神的遺産をひもときながら、現代におけるその意味を探ります。
学問の神、詩の人
道...
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by kataokatetsuya
10月26日 色暦のひとしずく:芥子色(からしいろ)
芥子色とは
芥子色(からしいろ)は、芥子の種のような黄みがかった色です。
• 境界:からしいろ• 色の印象:芥子の種のような黄色、ぴりっとした余白• 色言葉:刺激、個性、余白、潔さ
芥子色が語る今日の備忘録
10月26日は、秋が終わるつつ...
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by kataokatetsuya
鴇色に染まる記憶―トキと再生の哲学
田んぼの水面に、淡い桃色が揺れる。それは夕焼けでも、花びらでもなく――トキ。かつて日本の里山に舞っていたこの鳥は、絶滅の淵から再び空へと舞い戻った。その羽ばたきは、失われた風景の記憶を呼び起こし、未来への希望をそっと手渡す。
鴇色の羽根に宿る命
トキ...
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by kataokatetsuya
風をまとう孤高の影——イヌワシと空の哲学
山の稜線をなぞるように、ひとすじの影が翔ぶ。それは風趣か、記憶の化身か——イヌワシ。日本列島の山岳地帯にのみ生息する亜種「ニホンイヌワシ」は、空と森の境界に生きる、孤高の猛禽です。
森の王者、その静かな存在感
イヌワシ(Aquila chrys...
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by kataokatetsuya
今日の季語:木の実(きのみ)
落ちるのは、命の終わりではなく、
季節の記憶。
風に揺れ、ころんと落ちた木の実は、
終わりではなく、次のはじまりを告げるもの。
どんぐり、栗、柿、椎の実——
その形と色に、季節の時間が宿っている。
手のひらにのせると、
秋の香りと、未来の命が静かに息づく...
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by kataokatetsuya
贈り物を包むという行為に込められた、日本独自の美学と哲学。風呂敷や和紙、水引の意味を紐解きながら、記憶に残る包装の魅力を探ります。
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by kataokatetsuya
色暦|10月25日の色:蒸栗色(むしぐりいろ)
蒸した栗の皮をむいた実のような、ほんのり緑みを帯びた淡い黄色──それが「蒸栗色(むしぐりいろ)」です。
赤茶の「栗色」や「栗皮茶」とは異なり、蒸栗色は炊きたての栗ごはんの中に顔を出す、ほくほくの栗の実の色。食卓の温もりと、秋の台所の記憶をそっと...
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by kataokatetsuya
色暦|10月24日の色:紅消鼠(べにけしねず)
紅の匂いを消したネズミ色── 「紅消ネズミ(べにけしねず)」は、紅色の上に墨や黒を重ねたような、灰みがかった赤紫色。江戸後期に流行した「四十八茶百鼠」のひとつで、粋と安心の美学を映す色です。
色の名前「消」「ネズミ」は、どちらも味を感じることを...
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by kataokatetsuya
風のかたち、島の声
副題:列島に咲いた文化の独自性とその生成史
序章:なぜ「日本文化」は特異なのか
文化とは、地理・歴史・制度・言語・感性が織りなす複合体である。日本文化は、世界の中でも特異な位置を占めている。なぜこの列島に、これほどまでに繊細で、詩的で、かつ技術的にも洗練された文化...
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by kataokatetsuya
布に宿る記憶──世界の民族衣装と着物の未来
1. はじめに:衣装は文化の記憶装置
人はなぜ、布を纏うのか。寒さを凌ぐため、身分を示すため、儀礼を守るため──その理由は多様でありながら、根底には「記憶を残す」という営みがある。民族衣装とは、単なる服飾ではない。土地の風、祈りの声、祖先の...
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by kataokatetsuya
陰陽道:時の詩を読む者たちへ
― 百年後のあなたへ贈る、見えない力の記憶 ―
序章:風の声を聴くということ
それは、音のない声を聴くこと。それは、目に見えぬ流れを読むこと。それは、時の襞に指を添え、空間の呼吸に耳を澄ますこと。
陰陽道とは、そうした「見えない詩」を読み解くための術であり、...
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