STORIES

  • 色暦 11月2日の色  蜜柑茶 (みかんちゃ)

     色暦|11月2日の色:蜜柑茶(みかんちゃ) 蜜柑の果皮に、ほんの少し茶を落としたような色──「蜜柑茶(みかんちゃ)」は、蜜柑色に茶色みを加えた、煉瓦のような温もりを持つ黄赤色です。大正時代に流行した蜜柑色の余韻を受けて、建築や衣服にも広く用いられた懐かしい色でもあります。  色の特徴 ...
  • 色暦 11月1日の色  緋褪色 (ひさめいろ)

     色暦|11月1日の色:緋褪色(ひさめいろ) 鮮やかな緋色が、陽の光を浴びて少し褪せたような色──「緋褪色(ひさめいろ)」は、赤とも橙とも言えない、褪せた温もりを持つ色。かつては高貴な色とはされなかったものの、現代の目には古風さとモダンさが交差する魅力的な色として映ります 。  色の特徴...
  • 詩的ステートメント  【文化を贈る、感性を纏う】

    詩的ステートメント文化を贈る、感性を纏う。 WABISUKEが紡ぐのは、暮らしの中の詩学です。この言葉は、私たちのものづくりの根幹にある「祈り」のようなもの。それは、目に見える商品ではなく、目に見えない記憶や感性をかたちにする営みです。 人は、なぜ「もの」に心を寄せるのでしょうか。それは、...
  • 四季をまとう、記憶のがま口

      四季をまとう、記憶のがま口 ──WABISUKE 花遊び柄仕切りがま口に宿る、日本の美意識 春は、始まりの色をしている。まだ寒さの残る風の中に、ふと香る梅の気配。白く、紅く、枝先に灯るその花は、冬の沈黙を破る最初の囁き。やがて椿が艶やかに咲き、その深紅は、心の奥に眠っていた情熱を呼び覚...
  • カメと暮らす、がま口の物語

    カメと暮らす、がま口の物語—WABISUKEのオリジナル「カメ柄がま口」に込めた、悠久と遊び心— 苔むした庭に、ぽつんと佇む赤いがま口。よく見ると、そこには愛らしいカメたちが泳いでいる。甲羅は六角形、目はくるりと丸く、どこか懐かしくて、どこかユーモラス。これはWABISUKEが手がけたオリ...
  • 色暦 10月31日の色  白練 (しろねり)

     色暦|10月31日の色:白練(しろねり) 白の、最も澄んだ白── 「白練(しろねり)」は、黄みを掛けた生絹(きぎぬ)から、精錬によって黄みを取り込んだ純白の絹の色。  色の特徴 • 音色:しろねり• 色味:光沢のある純白、黄みのない白• カラーコード(参考値):#FCFAF2 • 色言...
  • 異邦人のまなざし、永遠の日本へ   小泉八雲という名の記憶

      異邦人のまなざし、永遠の日本へ - 小泉八雲という名の記憶 明治の日本に、ひとりの異邦人が降り立った。その名はラフカディオ・ハーン。のちの小泉八雲。彼の眼差しは、文明開化の喧騒の向こうに、静かに息づく「忘れられた日本」を見つめていた。 1. 海を越えて - ギリシャから日本へ 1850年...
  • 色暦 10月30日の色 灰白 (はいじろ)

    色暦|10月30日の色:灰白(はいじろ) 白に、ほんの少し灰を落としたような色──「灰白(はいじろ)」は、純白ではない、わずかに黄みや灰みを帯びた白色。その微妙な濁りが、静けさと余白の美を際立たせます。 色の特徴 • 読み方:はいじろ• 色味:灰みを帯びた白、オフホワイトに近い• カラーコ...
  • 茶杓と月の距離

    茶杓と月の距離 夜の茶室には、昼とは違う種類の静けさがある。 それは、眩しい静けさではなく、延々と眠っている静けさだ。 茶杓を手に取れる。細くて、軽くて、どこか当てにならない。でも、その頼りなさが、逆に安心感を与えてくれる。 茶杓には名前がある。「夢の浮橋」とか、「時雨の音」とか、そういう...
  • 茶道具の由来  静寂の器に宿る千年の記憶

    茶道具の由来──静寂の器に宿る千年の記憶 茶道具とは、単なる道具ではありません。 それは、時代を超えて受け継がれてきた美意識と精神性の結晶であり、 茶の湯という宇宙を形づくる「静寂の器」である。 茶道具の起源──仏具から始まった茶の器 茶道具の歴史は、奈良・平安時代にまで遡る。 ...
  • 土に祈り、橋を架ける  行基と民のための仏

     土に祈り、橋を架ける — 行基と民のための仏 「仏は、寺の中にだけ在るものではない。」そう語るように、行基(ぎょうき)は奈良時代の空を見上げながら、田畑を歩き、橋を架け、池を掘り、民の暮らしに仏の心を宿しました。 寺を出て、民の声を聴く 当時の仏教は、国家の守りとして寺院に閉じ込められてい...
  • 海を越えたまなざし  鑑真と、日本に根づいた光

      海を越えたまなざし — 鑑真と、日本に根づいた光 「わたしは、ただ、渡りたい。」 そう願ったひとりの唐の僧がいた。六度の渡航に挑み、五度の失敗を重ね、ついには両眼の光を失ってなお、彼は東の海を渡った。その名は、鑑真(がんじん)。奈良時代、天平の空に、静かにして確かな光をもたらした人物であ...