侘助椿に宿る美意識

侘助椿に宿る美意識
1. 控えめで未完成の美
侘助椿の花は小ぶりで、つぼみのように半開きのまま咲き続けることが多く、「咲かない美しさ」が特徴です。この「
未」の姿は、完璧を求めず、余白や余韻を大切にする侘びの感性に通じます。
2. 静けさと気品
色合いは淡いピンクや白が中心で、華やかさよりも落ち着いたと品格を感じさせます。
茶室や静かな空間に自然とその姿は、見る人の心に穏やかな韻を残します。
3. 茶道との深い気づき
侘助椿は、千利休をはじめとする茶人たちに愛され、茶花として重宝されてきました。
茶の湯に関しては「派手すぎず、自然で、季節を感じさせる花」が理想とされ、侘助椿はその条件を満たす存在です。
4. 自然の中の強さとやさしさ
冬の寒風の中でも凛と咲く侘助椿は、静かに強く、そして優しく佇みます。その
姿には、自然とともにある人間の生き方や、耐える美しさが重ねられています。
咲かない花に、心ほどける。
侘助椿は、静けさの中にある、ほんとうの美しさ。