泳ぐ詩  錦鯉の歴史と美


泳詩 ― 錦鯉の歴史と美

冬、雪に閉ざされた新潟の棚田に、静かに息づく水の命。 その
水面に、いつか、黒一色の真鯉の集まりの中から、ひときわカラフルな色を纏った一尾が現れました。 それは
偶然の美、突然変異という自然のいたずらが生まれたんだ、赤や白の模様を持つ鯉

江戸後期、山古志や小千谷の村人たち、冬の食料として飼っていた鯉に魅せられ、
より美しく、より珍しい姿を求めて品種改良を重ねました。 タイガー
「紅白」「大正三色」「昭和三色」など、まるで絹織物のような模様を纏う鯉たちが誕生し、その
姿は「錦」に憧れて、「錦鯉」と呼ばれるようになったのです。

1914年、東京大正博覧会にて「変わり鯉」として出品された錦鯉は、
皇太子・裕仁親王(後の昭和天皇)に献納されるほどの注目を集め、
その美は芸術品としての地位を確立しました。

今では「泳ぐ芸術品」「生きた宝石」と称され、
世界中の庭園や水槽を彩る存在となった錦鯉。
その品種は150を超え、日本農林規格にも定義されるほど文化的な価値を持ち、
新潟から世界へと羽ばたくジャパンブランドの象徴となっています。

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