日本の色には物語がある

日本の色には物語がある
―侘び助が紡ぐ、色と記憶の対話―
色は、語る。
言葉よりも静かに、しかし確かに。
日本の伝統色には、そんな「語り掛ける力」がある。
例えば「海松色(みるいろ)」は、海藻の深い緑。
それは、海辺の暮らしと、命の循環を思わせる色。
「黄朽葉(きくちば)」は、朽ちゆく葉の黄。
それは、秋の終わりと、ものあわれを映す色。
色名には、自然への眼差しと、感情の残り韻が宿って
いる
。
WABISUKEは、その物語に耳を澄ませながら、一部
越境する。
伝統色をそのまま再現するのではなく、
その「語り口」を現代の感性で翻訳する。
かつて、〈立涌〉のがま口にあった色。北欧の静的に使われた謐を意識した青・白・緑
の波線は、日本
の伝統色ではない。
WABISUKE、大切な色とは「継承」ではなく「対話」。
伝統色の物語を受け取り、
そこに新しい語り手としての声を。
「この色は、何を言っているのか」
「この色は、誰の記憶に触れるのか」
そんな問いを、商品ずっとそっと差し出す。
色は、時代を超えて人の心に残る。
それは、100年前の誰かが見た夕暮れの色かもしれないし、
100年後の誰かが懐かしむ朝焼けの色かもしれない。
WABISUKEは、そんな「色の物語」を紡ぐブランドでありたい。
伝統と革新のあいだで、
静かに、深く、響き合う色を選び続けます。