色暦 10月30日の色 灰白 (はいじろ)

色暦|10月30日の色:灰白(はいじろ)
白に、ほんの少し灰を落としたような色──
「灰白(はいじろ)」は、純白ではない、わずかに黄みや灰みを帯びた白色。
その微妙な濁りが、静けさと余白の美を際立たせます。
色の特徴
• 読み方:はいじろ
• 色味:灰みを帯びた白、オフホワイトに近い
• カラーコード(参考値):#EDEAE5
• 色言葉:静寂、余白、控えめな品格
この色は、白の中にある「気配」を感じさせる色。
平安の「かさねの色目」では、白の下に灰色を重ねることで、奥行きと静けさを表現しました。
灰白は、そんな重ねの美意識を今に伝える色でもあります。
今日の気配
10月30日は、秋の終わりが静かに近づく頃。
灰白は、季節の余白を映す色。
何も語らずとも、空気の澄み方や、風の音が心に残るような一日です。
色暦のひとこと
灰白の 語らぬ声に 耳を澄ます
次は、冬の気配を帯びた色へ──白練や銀鼠が待っています。
季節の物語を、また明日も紡いでまいりましょう。
【参考文献】
• 灰白色の解説|伝統色名101
• 和色大辞典|灰白の色味と文化背景
• 吉岡幸雄『日本の色辞典』紫紅社
• 高月美樹監修『365日にっぽんのいろ図鑑』玄光社(2020)