静けさの中に息づくもの - WABISUKEと能

静けさの中に息づくもの──WABISUKEと能
能の舞台には、時間が沈殿している。
言葉は最小限にとどまり、動きは研ぎ澄まされ、
その空白にこそ、深い情念が宿る。
WABISUKEが紡ぐ言葉もまた、語りすぎない。
伝えるために、削ぎ落とす。
残された言葉が、見る者・読む者の内側に静かに響く。
能において「型」は、過去の記憶をなぞるものではない。
それは、時を超えて受け継がれる“感覚の器”であり、
演者の身体を通して、観る者の心に届く“沈黙の声”だ。
WABISUKEもまた、言葉や色彩、かたちの奥にある“余白”を大切にする。
そこには、誰かの記憶が重なり、
誰かの感情がそっと置かれる場所がある。
能が「見えないもの」を見せる芸術であるように、
WABISUKEは「語られないもの」を語るブランドでありたい。
それは、説明ではなく、共鳴。
主張ではなく、気配。
沈黙の中に、何が息づいているのか。
その問いを、言葉にならないまま差し出すこと。
それが、WABISUKEの美学であり、能との静かな対話なのかもしれない。