冬の詩情を手のひらに。WABISUKEの雪だるま柄がま口と、雪だるまの文化史をめぐる旅


冬の詩情を手のひらに。WABISUKEの雪だるま柄がま口と、雪だるまの文化史をめぐる旅

冬の京都、東山三条の静かな路地に、ふと目を引くがま口があります。青地に並ぶ雪だるまたち――赤い帽子とマフラーをまとい、どこか懐かしく、どこかユーモラス。WABISUKEの冬限定がま口「雪だるま柄」は、カードがすっぽり入るサイズで、小銭入れはもちろん、鍵や薬、アクセサリーなどの小物入れとしても活躍します。けれどこのがま口の魅力は、単なる機能性にとどまりません。手のひらに収まる小さな布の世界に、雪だるまという冬の文化が、ぎゅっと詰まっているのです。

 

「雪だるま」の語源と日本的なかたち

日本の雪だるまは、なぜ二段なのか? その答えは、名前に隠されています。「雪だるま」という言葉は、縁起物の「だるま」に由来しています。江戸時代の浮世絵には、雪で作られた「だるま形」の像が描かれており、これが雪だるまの原型とされています。達磨大師の座禅姿を模した張り子のだるまは、「七転び八起き」の象徴。雪だるまもまた、冬の厳しさの中に希望を灯す存在だったのかもしれません。

現代の日本では、大小二つの雪玉を重ねた形が主流。下段が胴体、上段が頭。目や口は木の実や石で、帽子代わりにバケツをかぶせることもあります。シンプルながら、どこか愛嬌のある姿は、日本人の美意識――「余白」や「間」の感覚にも通じるものがあります。

 

世界の雪だるま――スノーマンの多様性

一方、海外の雪だるま――英語で「Snowman」は、三段重ねが基本。胴体が長く、頭にはシルクハット、鼻はニンジン、腕は枝。まるで「人間」に近い造形です。これは西洋における雪だるまが、より擬人化された存在であることを示しています。映画『アナと雪の女王』のオラフを思い出す方も多いでしょう。

中世ヨーロッパの時祷書(1380年頃)には、すでに雪だるまの挿絵が登場しており、宗教的な象徴や風刺の対象として描かれていたこともあります。また、1511年のブリュッセルでは、疫病への不満を表現するために100体以上の雪だるまが作られたという記録も。雪だるまは、ただの遊びではなく、社会や感情を映す鏡でもあったのです。

 

雪だるま柄がま口に込めた、WABISUKEの詩情

そんな雪だるまの文化を、WABISUKEはがま口という日常の道具に落とし込みました。青地に並ぶ雪だるまたちは、どこか日本的な二段の形を保ちつつ、赤い帽子とマフラーで西洋のスノーマンの要素も取り入れています。まるで東西の文化が、冬の空の下で手を取り合っているよう。

このがま口は、ただの小物入れではありません。冬の記憶を閉じ込める器であり、雪だるまという文化の旅を手のひらで味わうための小さな舞台です。カードが入るサイズなので、日常使いにもぴったり。ポケットに忍ばせれば、寒い日も少しだけ心が温まるかもしれません。

 

雪だるまは、消えるからこそ美しい

雪だるまは、春が来れば溶けてしまいます。だからこそ、儚く、美しい。日本の「もののあはれ」の感覚にも通じるこの存在を、WABISUKEは布に定着させました。季節が巡っても、がま口の中の雪だるまたちは微笑み続けます。

冬の贈り物に。自分へのご褒美に。文化と詩情をまとった雪だるま柄がま口を、ぜひ手に取ってみてください。

 

Sources:
TABIZINE|日本と西洋の雪だるまの違い
Mania Matrix|雪だるまの語源と文化
Wikipedia|雪だるま
カラパイア|雪だるまの起源と歴史