11月11日 色暦 白練 (しろねり)

11月11日の、色暦 白練(しろねり)
「白は、無ではない。すべてを包む色。」
白練(しろねり)は、絹のような滑らかさを持つ白。真っ白ではなく、ほんのりと温もりを含んだ柔らかな白です。練り絹の質感を思わせるこの色は、古来より晴れ着や装束に使われてきました。
11月11日は「ポッキーの日」として知られていますが、白練のような色は、包装紙や贈り物の包み紙にもよく使われる色。遊び心と清らかさが同居する日には、ぴったりの色です。
この色には、余白の美があります。何も描かれていないようでいて、すべてを受け止める力がある。白練は、無垢でありながら、記憶を染み込ませる布のような存在。誰かの手に渡ることで、物語が始まる色です。
今日のような日には、白練の紙に手紙を書いてみてください。言葉が、色に包まれて、静かに届くはずです。
参考文献
• 『日本の伝統色』紫紅社
• 『和の色手帖』草木染研究会編
• 「白練(しろねり)」— irocore.com
• 『四季の色名事典』講談社