11月22日 色暦  灰白 (かいはく)


11月22日の、色暦

灰白(かいはく)

「白さの中に、静けさが宿る。」

灰白は、白にほんの少し灰を混ぜたような淡いグレー。純白よりも柔らかく、銀鼠よりも明るい。空気が白くなる頃、霜が降り、吐息が見えるようになる季節にふさわしい色です。

この色は、冬の始まりを告げる「小雪(しょうせつ)」の頃に現れます。空は曇り、光は柔らかく、音が吸い込まれるような静けさが街を包む。灰白は、そんな「冬の予兆」を映す色。雪が降る前の空気、朝の窓辺、白湯の湯気——すべてがこの色に染まっています。

灰白はまた、侘び寂びの「寂」に寄り添う色でもあります。語られない感情、余白の美、静かな時間。WABISUKEの哲学においても、「語らないこと」「余韻を残すこと」は重要なテーマ。灰白は、語らずとも伝わる色。空間に深みを与え、心を静かに整える色です。

11月22日は、季節の境目。秋の名残と冬の気配が交差する日。灰白は、その曖昧さと静けさを映す色。何もないようで、すべてがある——そんな一日です。


 参考文献

• 『日本の伝統色』紫紅社
• 灰白 – 伝統色のいろは
• 暦生活「にっぽんのいろ」