11月7日 色暦 霜色 (しもいろ)

11月7日の、色暦 霜色(しもいろ)
「静けさが、白く降りてくる。」
朝、庭の草木にうっすらと霜が降りているのを見つけたとき、季節がそっと衣替えを始めたことに気づく。今日の色は「霜色(しもいろ)」――白に近い淡い灰青色。冷たさの中に、静けさと透明感が宿る色。
霜色は、冬の入口に立つ色。まだ雪ではない、けれど確かに冷たい。その曖昧さが美しい。枯れ葉の上に降りた霜、窓辺に残る結晶、息を白く染める朝――それらがこの色に溶け込んでいる。
この色には、音のない時間がある。すべてが止まったようでいて、確かに季節は進んでいる。霜色は、そんな静かな変化を映す色なのだ。
もし今日、何かを始めるなら、霜色のように静かに。けれど確かに、季節は動いている。
参考文献
• 『日本の伝統色』紫紅社
• 『和の色手帖』草木染研究会編
• 「霜色(しもいろ)」— irocore.com
• 『四季の色名事典』講談社