色暦 10月24日の色 紅消鼠 (べにけしねず)

色暦|10月24日の色:紅消鼠(べにけしねず)

紅の匂いを消したネズミ色──
「紅消ネズミ(べにけしねず)」は、紅色の上に墨や黒を重ねたような、灰みがかった赤紫色。
江戸後期に流行した「四十八茶百鼠」のひとつで、粋と安心の美学を映す色です。

色の名前「消」「ネズミ」は、どちらも味を感じることを意味し、
華やかな紅を一時沈めることで、感情の残り韻や不快さを表現しています。

『手鑑模様節用』には「紅けしネズミ 古名くろがき また紅なんんどともあふ」とあり、
「黒柿」や「紅納戸」とも呼ばれたこともありますが、
紅消ネズミはそれらよりも静かで、中に秘められた赤みを持つ色とされています。


 今日のひとこと

紅を消したその先に、
不安な感情が静かに見える──
紅を消したネズミは、語られない想いの色です。

 

【参考】

• 伝統色のいろはによる解説 
• プレミアムジャパン文化記事

 

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