こぶた日和

こぶた日和──掌に咲く、やさしい物語

京都の苔庭に、ぽつんと置かれた桃色のがま口。
その姿を見た瞬間、ふっと肩の力が抜けた。
描かれているのは、無邪気なこぶたたち。
まるで「大丈夫だよ」と言ってくれているような、そんな表情。

このがま口の名前は「こぶた日和」。
WABISUKEが手がける、京都発の小さな物語です。

金具のきらめきは、職人の手仕事の記憶。
布地の柔らかさは、日々の余白を思わせる。
そして何より、こぶたたちの存在が、持つ人の心をそっと包み込む。

「かわいさに、ちょっと甘えてみる。」
そんな気持ちを、堂々と肯定してくれるアイテムって、意外と少ない。
でもこのがま口は、かわいさを恥じることなく、むしろ誇らしく見せてくれる。
それは、若さの中にある繊細さや、日々の不安に寄り添うような優しさ。

ポケットに入るサイズの安心感。
開けるたびに、こぶたたちが「おかえり」と言ってくれるような気がする。
そんな小さな相棒が、日常の中にある“自分らしさ”を思い出させてくれる。

WABISUKEのものづくりには、伝統と遊び心が共存している。
それはまるで、静かな庭に咲く一輪の花のよう。
若い感性に向けて、でも決して軽くはない。
深さとやさしさを、そっと手渡してくれる。

「こぶた日和」は、そんなWABISUKEの哲学がぎゅっと詰まったがま口。
かわいいだけじゃない。持つことで、少しだけ自分を好きになれる。
そんな日々の“お守り”のような存在です。

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次回は、このこぶたたちの名前を勝手に妄想してみようかな。
それぞれに性格がありそうで、見ているだけで物語が広がる。
そんな遊びも、WABISUKEならではの楽しみ方かもしれません。