色暦  10月21日の色  白茶 (しらちゃ)


 色暦|10月21日の色:白茶(しらちゃ)

白みがかった淡い茶色──
それが「白茶(しらちゃ)」という、静けさと温もりを包む色。

江戸時代、濃い茶色が流行した元禄期を経て、
文化・文政期には「煤竹廃れて白茶」と言われるほど、
茶人や数寄者たちに好まれた粋な色でした。

この色には、乾いた土や和紙、木肌のような自然の質感が宿り、「
白茶ける」という言葉があるように、
色褪せた美しさ──控えめで品のある余韻を感じさせます。

明治以降は女性の着物にも多く使われ、
暮らしの中にそっと溶け込み、主張しない美意識の象徴となりました。


 今日のひとこと

秋の朝、光が差し込む縁側のように。
白茶は、静けさと温もりを纏う色です。

 

【参考】
白茶文化の背景と色彩情報は伝統色いろはより。

 

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