2月12日 色暦 染温 (せんおん)

染温(せんおん) – Sen’on

「気配が温度に変わるとき、空間は静かに染まる。」

2月12日の、色暦

「染温」は、春の気配が、
香りでも光でもなく、“空間の温度”として現れるような、淡い白紅の色。
それは、空気の奥にある“やわらぎ”が、
肌に触れるように染み込んでくる瞬間を映す色です。

朝の光が、障子越しに広がるとき、
その温度は、昨日よりもほんの少しだけやわらかい。
梅の蕾が、風に揺れても閉じたままなのに、
空間の奥では、確かに春が染み込んでいる。

器の中の香が、立ちのぼるのではなく、
空間に溶けていくように広がる時間。
その広がり方が、冬とは違うと感じるとき、
春はもう、温度として存在している。

この色は、
「気配の温度」や「空間の染まり」。
季節は、目に見えないかたちで、
静かに、確かに、染み込んでくる。

暮らしの中の染温

• 障子越しに広がる、白紅のやわらかな光
• 白磁の器に残る香が、空間の温度に変わる瞬間
• 咲く前の花が、空気の中で呼吸をはじめる気配


染温は、WABISUKEが大切にする
**「素材の温度」や「空間の染まり方」**と響き合う色。
見えないものが、肌に触れるように存在するという、
やさしい季節の詩です。

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備考と語源

「染温(せんおん)」は詩的造語であり、伝統色ではありません。
「染まる」と「温度」が重なり合う語感から生まれた、
春の気配が空間に染み込む瞬間を映す色です。

・類似する色には「白紅」「淡紅」「桜鼠」などがありますが、
「染温」はより“温度の気配”や“空間の染まり方”に焦点を当てた色です。

「気配が温度に変わるとき、空間は静かに染まる。」

wabisuke.kyoto