12月12日 色暦 錫色 (すずいろ)

12月12日の、色暦
錫色(すずいろ) – Suzuiro
「冷たく、やさしく、光る。」
「錫色」は、錫(すず)という金属の表面に見られる、淡く白みがかった銀灰色。
銀ほど華やかではなく、鉛ほど重たくない。
その中間にあるような、控えめで柔らかな金属の光を映す色です。
冬の空や霜の朝、凍った水面に差す光。
錫色は、冷たさの中にある静かな輝きを思わせます。
それは、目立たないけれど確かな存在感を持つ、冬の色です。
暮らしの中の錫色
• 錫製の茶器や酒器の、くすんだ銀色
• 霜が降りた朝の石畳の光
• 冬の空に浮かぶ、淡い雲の色
錫色は、**「静けさの中の品格」**を映す色。
WABISUKEが大切にする「控えめな美」や「素材の記憶」に通じる、詩的な金属色です。
備考と語源
• 錫(すず)は古くから器や装飾品に使われてきた金属で、日本では奈良時代から記録があります。
• 錫色は、銀鼠よりも白く、銀灰色よりも柔らかいとされ、
近代文学では「静謐な色」として描写されることもあります 。