STORIES

  • 11月19日  色暦  薄墨色 (うすずみいろ)

     11月19日の、色暦 薄墨色(うすずみいろ) 「曖昧さの中に、記憶がにじむ。」 薄墨色は、墨を水で薄めたような淡い灰色。墨絵の余白、和紙に滲む筆跡、冬の空に広がる曇りの色——そのすべてに通じる、静けさと曖昧さを宿した色です。 与謝野晶子はこの色に、一面の雪景色を重ねて詠みました。色のない...
  • 11月18日 色暦  藤黄 (とうおう)

     11月18日の、色暦 藤黄(とうおう) 「光の粒が、季節の終わりを照らす。」 藤黄(とうおう)は、東南アジア原産の植物「草雌黄(くさしおう)」から採れる黄色い樹脂に由来する色。英語では「ガンボージ(gamboge)」と呼ばれ、奈良時代には仏教美術に、江戸時代には友禅染や漆器の装飾に広く用...
  • 11月17日 色暦  黒鳶 (くろとび)

    11月17日の、色暦 黒鳶(くろとび) 「沈黙の中に、熱を秘める色。」 黒鳶(くろとび)は、鳶色(赤褐色)をさらに暗くした色。江戸時代前期から染め色として用いられ、小袖や帯などに粋な装いとして流行しました 。赤みを帯びた黒は、ただの地味ではなく、内に秘めた情熱や品格を感じさせる色です。 1...
  • 11月16日 色暦 桑染 (くわぞめ)

     11月16日の、色暦 桑染(くわぞめ) 「儀式の静けさは、葉の記憶に染まる。」 桑染(くわぞめ)は、桑の葉を煮出して染めた、やわらかな茶緑色。古代の装束や儀礼に使われた色であり、自然の恵みと人の営みが交差する色でもあります。派手さはなく、しかし深い敬意と静けさを湛えた色です。 11月16...
  • 11月15日 色暦  桜鼠 (さくらねず)

    11月15日の色暦は「桜鼠(さくらねず)」です。七五三の晴れ着にも似合う、やわらかで儚い色。別れと祝福が交差する一日にふさわしい、静かな美しさを宿しています。  11月15日の、色暦 桜鼠(さくらねず) 「祝福の中に、そっと哀しみを忍ばせる色。」 桜鼠(さくらねず)は、淡い紅色に灰色や薄墨が...
  • 11月14日 色暦  銀鼠 (ぎんねず)

     11月14日の、色暦 銀鼠(ぎんねず) 「静けさは、光を含んだ灰のようなもの。」 銀ネズミ(ぎんねず)は、銀を掲げた淡い灰色。 ネズミの中でも、光を含んだような柔らかさがあり、冬の訪れを感じさせる色です。 空気が澄み、朝の光が白く感じられるこの頃、銀ネズミは空と地にいるような存在です。 ...
  • 11月13日 色暦  紅藤 (べにふじ)

    11月13日の、色暦 紅藤(べにふじ) 「終わりの美しさは、始まりの余白でもある。」 紅藤(べにふじ)は、藤色にほんのり紅を差したような、やわらかで儚い色。藤袴(ふじばかま)の花が名残を惜しむように咲くこの時期、空気は澄み、光は斜めに差し込む。季節は、静かに冬へと歩みを進めています。 この...
  • 11月12日 色暦  黄櫨染 (こうろぜん)

     11月12日の、色暦 黄櫨染(こうろぜん) 「深まる秋に、静かな威厳を纏う。」 黄櫨染(こうろぜん)は、櫨(はぜ)の木の樹皮や実から得られる染料で染めた、赤みを帯びた深い黄褐色。古来、天皇の礼服にのみ許された色であり、禁色(きんじき)のひとつとして知られています。 この色には、ただの格式...
  • 11月11日 色暦 白練 (しろねり)

    11月11日の、色暦 白練(しろねり) 「白は、無ではない。すべてを包む色。」 白練(しろねり)は、絹のような滑らかさを持つ白。真っ白ではなく、ほんのりと温もりを含んだ柔らかな白です。練り絹の質感を思わせるこの色は、古来より晴れ着や装束に使われてきました。 11月11日は「ポッキーの日」と...
  • 11月10日 色暦 錆浅葱 (さびあさぎ)

     11月10日の、色暦 錆浅葱(さびあさぎ) 「時を纏う、美しさがある。」 錆浅葱(さびあさぎ)は、浅葱色に錆が差したような、くすんだ青緑。新しさよりも、時を経たものの深みを感じさせる色です。古布や古裂、使い込まれた藍染の衣に宿るような、静かな存在感。 この色には、記憶が染み込んでいます。...
  • 11月9日 色暦 紅樺色 (べにかばいろ)

    11月9日の、色暦 紅樺色(べにかばいろ) 「木肌に宿る、命の記憶。」 紅樺色(べにかばいろ)は、樺の木が紅葉するような、深みのある赤褐色。紅葉の燃えるような華やかさとは違い、幹や枝に残る静かな温もりを感じさせる色です。 この色には、木の記憶が宿っています。葉が落ちた後も、樹皮に残る紅の気...
  • 11月8日 色暦 鉛色 (なまりいろ)

    11月8日の、色暦 鉛色(なまりいろ) 「空が重たくなると、心は静かになる。」 今日の空は、鉛色。曇天の広がる空は、まるで季節の深呼吸のように、静かに、重たく、そして穏やかに降りてくる。 鉛色(なまりいろ)は、金属の鉛に由来する、灰色に少し青みを帯びた鈍い色。光を吸い込むような質感があり、...