11月4日 色暦 黄朽葉色 (きくちば)

11月4日の、色暦 黄朽葉(きくちば)
「足元に広がる、黄金の記憶。」
銀杏並木が黄金に染まる頃。今日の色は「黄朽葉(きくちば)」――朽ちゆく葉の黄に、秋の終わりと光の余韻が宿る。
黄朽葉は、鮮やかな黄色が少し褪せ、土に還る直前の色。華やかさと儚さが同居する、季節の境目にふさわしい色だ。銀杏の葉が風に舞い、道を覆い尽くす様子は、まるで記憶の断片が静かに降り積もるよう。
この色には、過ぎ去った時間への敬意がある。鮮烈な夏の名残を手放し、冬の静寂を迎える準備。黄朽葉は、変化を受け入れる心の色でもある。
もし今日、銀杏の葉を一枚拾うなら、それはただの落ち葉ではない。あなたの中にある、何か大切なものの「終わり方」を映しているかもしれない。
参考文献
• 『日本の伝統色』紫紅社
• 『和の色手帖』草木染研究会編
• 「黄朽葉色(きくちばいろ)」— irocore.com
• 『四季の色名事典』講談社