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by kataokatetsuya
茶杓の孤独──誰にも語られない竹の記憶
茶杓というのは、奇妙な道具だ。細くて、軽くて、言葉を持たない。でも、茶の湯の中では、確かにその存在が必要とされている。
僕はときどき、茶杓のことを考える。それは、誰にも気づかれずに茶入から抹茶をすくい、茶碗の縁にそっと置かれるだけの存在。音もなく、主張...
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by kataokatetsuya
静けさの中の宇宙──茶の湯の所作に宿る美
「すっ…」「ことん」「ふわり」畳に足袋が触れる音。茶杓が茶碗に置かれる音。湯気が立ちのぼる気配。それらはすべて、茶の湯の所作が奏でる無言の詩である。
一歩、茶室へ──畳の音が誘う世界
茶室の入り口に立つと、まず空気が変わる。外界の喧騒は、にじり口...
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by kataokatetsuya
藤井風とWABISUKE──“風”が運ぶ、詩と色の共鳴
はじめに:藤井風という存在
岡山県出身のシンガーソングライター、藤井風。彼の音楽は、ジャンルを超えた融合と、言葉の余白に宿る情緒で多くの人々を魅了しています。R&B、ソウル、ポップスを自在に行き来しながら、日本語と英語を...
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by kataokatetsuya
時を刻む緑の宇宙 - 盆栽の歴史と美学
はじめに
ひと鉢の中に、千年の風景がある。それは、山河の記憶を宿し、季節の移ろいを映す、静かな宇宙。盆栽 ―― それは、日本人の美意識が凝縮された、時を超える芸術です。
第一章:盆栽の起源 - 時を超える小宇宙
盆栽の源流は、古代中国の「盆景(ペ...
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by kataokatetsuya
と未来びしゃび:ドラえもんが発表してくれる「足るを知る」
「何でもできる未来の道具」と「何も足らない美しさ」。一見、正反対のようにこの二つの世界が、実は静かに響きわたっているつもり——。
ドラえもんの道具は「足る」ためのもの?
ドラえもんがポケットから出すひみつ道具たち、のび太の願いを叶え...
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藤子.F.不二雄
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by kataokatetsuya
YOASOBIと「朧月夜」:物語と余白のあいだで
「夜に駆ける」その疾走感の裏にあるのは、静かな痛み。YOASOBIの音楽は、ただのポップじゃない。それは、物語の余白を音にしたもの。
たとえば、月が雲に隠れて、ぼんやりと光る夜。その「朧月夜」のように、はっきりとは見えないけれど、確かにそ...
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by kataokatetsuya
あいみょんと「木漏れ日」:日常に潜む侘び寂び
「生きていたんだよな」その一言に、どれだけの人が救われたんだろう。あいみょんの歌は、派手じゃない。だけど、心に残る。それはまるで、木漏れ日のような存在。強くはないけれど、確かにそこにある光。気づけば、そっと心を照らしている。
侘び寂びって、静...
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by kataokatetsuya
けみおと侘助椿:ポップと静けさのあいだで
「ウチらみんなで生き延びてこ!」
この言葉を初めて聞いたとき、ただのテンションの高い掛け声かと思った人もいるかもしれません。でも、よくよく耳を澄ませてみると、そこには深い共感と、時代を生き抜くための祈りのような響きがあることに気づきます。けみお...
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