今日の季語 夜寒 (よさむ)

今日の季語:夜寒(よさむ)
冷えるのは、空気だけではない。
日が暮れると、空気が急に澄み、
昼間のぬくもりが遠ざかっていく。
窓の外に広がる夜の静けさに、
冷えがそっと忍び込んでくる。
夜寒という季語には、
単なる気温の変化だけでなく、
人の心の奥にある「余白」が映し出されている。
静けさの中に、孤独ではなく、
整えられた時間がある。
湯気の立つ湯呑み、
肩にかけた羽織、
そして、ふと見上げた夜空の星。
そのすべてが、夜寒の中で輪郭を持つ。
— 夜寒、静けさが身にしみる季節。