唐草模様

時を編む蔓の記憶 — WABISUKEの唐草模様がま口

苔むす森の静寂にそっと置かれた、小さながま口。黒地に白く浮かぶ唐草模様は、ただの装飾ではなく、時を超えて受け継がれてきた祈りのかたち。

唐草模様——その起源は古代ギリシャや中東にまで遡り、日本には奈良時代に伝わったとされます。蔓が絡み合い、伸びていくその姿は、**「繁栄」「長寿」「絆」**の象徴。武家の家紋や染織、陶器にまで用いられ、時代を越えて人々の暮らしに寄り添ってきました。

WABISUKEのがま口は、その唐草を現代の感性で再解釈したもの。侘び寂びの精神を宿しながら、どこか遊び心も感じさせる佇まい。手に取るたび、蔓の流れが心の奥に語りかけてくるようです——「あなたの歩みもまた、誰かの記憶に絡まり、未来へと伸びていく」。

苔と光に包まれたその一瞬は、まるで時の狭間に咲いた静かな詩。がま口の中にしまわれているのは、小銭だけではなく、日々の物語と、ささやかな願いなのかもしれません。