STORIES

  • 11月14日 色暦  銀鼠 (ぎんねず)

     11月14日の、色暦 銀鼠(ぎんねず) 「静けさは、光を含んだ灰のようなもの。」 銀ネズミ(ぎんねず)は、銀を掲げた淡い灰色。 ネズミの中でも、光を含んだような柔らかさがあり、冬の訪れを感じさせる色です。 空気が澄み、朝の光が白く感じられるこの頃、銀ネズミは空と地にいるような存在です。 ...
  • 11月13日 色暦  紅藤 (べにふじ)

    11月13日の、色暦 紅藤(べにふじ) 「終わりの美しさは、始まりの余白でもある。」 紅藤(べにふじ)は、藤色にほんのり紅を差したような、やわらかで儚い色。藤袴(ふじばかま)の花が名残を惜しむように咲くこの時期、空気は澄み、光は斜めに差し込む。季節は、静かに冬へと歩みを進めています。 この...
  • 11月12日 色暦  黄櫨染 (こうろぜん)

     11月12日の、色暦 黄櫨染(こうろぜん) 「深まる秋に、静かな威厳を纏う。」 黄櫨染(こうろぜん)は、櫨(はぜ)の木の樹皮や実から得られる染料で染めた、赤みを帯びた深い黄褐色。古来、天皇の礼服にのみ許された色であり、禁色(きんじき)のひとつとして知られています。 この色には、ただの格式...
  • 11月11日 色暦 白練 (しろねり)

    11月11日の、色暦 白練(しろねり) 「白は、無ではない。すべてを包む色。」 白練(しろねり)は、絹のような滑らかさを持つ白。真っ白ではなく、ほんのりと温もりを含んだ柔らかな白です。練り絹の質感を思わせるこの色は、古来より晴れ着や装束に使われてきました。 11月11日は「ポッキーの日」と...
  • 11月10日 色暦 錆浅葱 (さびあさぎ)

     11月10日の、色暦 錆浅葱(さびあさぎ) 「時を纏う、美しさがある。」 錆浅葱(さびあさぎ)は、浅葱色に錆が差したような、くすんだ青緑。新しさよりも、時を経たものの深みを感じさせる色です。古布や古裂、使い込まれた藍染の衣に宿るような、静かな存在感。 この色には、記憶が染み込んでいます。...
  • 11月9日 色暦 紅樺色 (べにかばいろ)

    11月9日の、色暦 紅樺色(べにかばいろ) 「木肌に宿る、命の記憶。」 紅樺色(べにかばいろ)は、樺の木が紅葉するような、深みのある赤褐色。紅葉の燃えるような華やかさとは違い、幹や枝に残る静かな温もりを感じさせる色です。 この色には、木の記憶が宿っています。葉が落ちた後も、樹皮に残る紅の気...
  • 11月8日 色暦 鉛色 (なまりいろ)

    11月8日の、色暦 鉛色(なまりいろ) 「空が重たくなると、心は静かになる。」 今日の空は、鉛色。曇天の広がる空は、まるで季節の深呼吸のように、静かに、重たく、そして穏やかに降りてくる。 鉛色(なまりいろ)は、金属の鉛に由来する、灰色に少し青みを帯びた鈍い色。光を吸い込むような質感があり、...
  • 11月7日 色暦 霜色 (しもいろ)

     11月7日の、色暦 霜色(しもいろ) 「静けさが、白く降りてくる。」 朝、庭の草木にうっすらと霜が降りているのを見つけたとき、季節がそっと衣替えを始めたことに気づく。今日の色は「霜色(しもいろ)」――白に近い淡い灰青色。冷たさの中に、静けさと透明感が宿る色。 霜色は、冬の入口に立つ色。ま...
  • 11月6日 色暦 薄柿 (うすがき)

    11月6日の、色暦 薄柿(うすがき) 「熟れた果実のように、季節は静かに甘くなる。」 庭先の柿が、陽に透けてやわらかく色づく頃。今日の色は「薄柿(うすがき)」――熟した柿の果肉を思わせる、やさしい橙色。 この色には、秋の終わりに差し込む光のぬくもりがある。強すぎず、淡すぎず、ちょうどよいや...
  • 11月5日 色暦 藍墨茶 (あいすみちゃ)

     11月5日の、色暦 藍墨茶(あいすみちゃ) 「静けさは、色にも香る。」 秋の夜が深まる頃、灯りを落とした部屋に広がる静寂。今日の色は「藍墨茶(あいすみちゃ)」――藍と墨が溶け合ったような、深く渋い茶色。 この色には、夜の読書や筆を走らせる時間の気配がある。墨の香、藍染の布、古い書物の紙の...
  • 11月4日  色暦 黄朽葉色 (きくちば)

     11月4日の、色暦 黄朽葉(きくちば) 「足元に広がる、黄金の記憶。」 銀杏並木が黄金に染まる頃。今日の色は「黄朽葉(きくちば)」――朽ちゆく葉の黄に、秋の終わりと光の余韻が宿る。 黄朽葉は、鮮やかな黄色が少し褪せ、土に還る直前の色。華やかさと儚さが同居する、季節の境目にふさわしい色だ。...
  • 11月3日 色暦 朽葉色(くちばいろ)

     11月3日 色暦 朽葉色(くちばいろ) 「色は、枯れてなお語る。」 文化の日。晴れ渡る空の下、街は祝祭の気配に包まれながらも、足元には静かに朽ちてゆく葉が広がっている。今日の色は「朽葉色」。枯れ葉の茶褐色に、秋の終わりと冬の気配が滲む。 朽葉色は、かつて鮮やかだった紅葉が、命を燃やし尽く...