色暦 10月22日の色  黄海松茶 (きみるちゃ)


 色暦|10月22日の色:黄海松茶(きみるちゃ)

黄みがかった海松茶──
**黄海松茶(きみるちゃ)**は、江戸時代に好まれた「海松茶(みるちゃ)」の変相色。
名の通り、**海藻・海松(みる)**の深い緑茶色に、黄を差したような色合いです。

現代でいえば、オリーブグリーンに近い黄灰色。
森の奥に差し込む光や、苔むした岩肌のような、静かな自然の気配を感じさせます。

染色技法書『萬染物張物相伝』にも記されており、
「しふき壱へんひき、かりやす弐へんひき」といった染め方が伝えられています。
この色は、侘びと寂びの美意識を映すように、控えめで静かな存在感を放ちます。


 今日のひとこと

黄海松茶は、森の静けさを纏う色。
秋の訪れとともに、心を落ち着ける一枚の風景のようなものです。

【参考】
色の由来と染色技法は伝統色のいろはおよびPremium Japanの記事より。

 

関連記事