色暦 10月31日の色  白練 (しろねり)


 色暦|10月31日の色:白練(しろねり)

白の、最も澄んだ白──
「白練(しろねり)」は、黄みを掛けた生絹(きぎぬ)から、精錬によって黄みを取り込んだ純白の絹の色


 色の特徴

• 音色:しろねり
• 色味:光沢のある純白、黄みのない白
• カラーコード(参考値):#FCFAF2
• 色言葉:清潔、潔白、神聖、静謐


白練は、天皇の装束や神事の衣にも用いられた色。
ただの白ではなく、意志を持った白──
それは、何も足らず、何も引かず、ただ澄みきった存在感を放ちます。


 今日の気配

10月31日。
秋の終わりと、冬の終わりが渡る日。
白練は、そんな季節の境界線に立つ色。
静けさの中に、凛とした気配を宿っています。


 文化のひとしずく

「白練」は、シルエットの色名ではなく、精錬技法独特の名前でもあり
ます


 色暦のひとこと

白練の澄みきる声に季節が立つ


次は銀へ──冬の静寂と、金属の冷たさを表した色へと移ろってまいりましょう。
色が語る季節の物語、また明日もお届けします。


【参考文献】

• 伝統色のいろは|白練(しろねり)とは 
• プレミアムジャパン|白練の文化的背景と読み方 
• 吉岡幸雄『日本の色辞典』紫紅社
• 長崎盛輝『新版日本の伝統色』青幻舎
• 高月美樹監修『365日にっぽんのいろ図鑑』玄光社(2020)

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