美と無常の庭へ-随心院と小野小町の詩情を訪ねて

美と無常の庭へ──随心院と小野小町の詩情を訪ねて
京都・山科の静かな里に佇む随心院。
ここは、平安の歌人小野小町が晩年を過ごして伝えられる場所。 その
空気には、色褪せた花の香りと、言葉にならない想いが漂っている。
随心院とは
随心院は、真言宗善通寺派の大本山。
創建は正暦2年(991年)、仁海僧侶正としていたあたり由緒ある寺院です。
門跡寺院として皇族や摂関家の庇護を受け、文化財も多く残されています。
境内には、小町化粧井戸や卒塔婆小町坐像など、彼女の伝説を宿す場所が点在。
春には「はねず踊り」が奉納され、地元の少女たちが紅梅の花笠をかぶって舞を披露します。 「はねず」
とは、淡紅色の古名。
小野小町の詩と伝説
花の色はうつりにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに
この最初に込められたのは、美の移ろいと人生の無常。
小町は、六歌仙・三十六歌仙にも名前を連ねる才女であり、恋と孤独、夢と現実の狭間を詠み続けました。
随心院の襖絵「極彩色梅匂小町絵図」には、彼女の生涯が四部構成で描かれています
。
美と詩情の空間
それは、詩が息づく空間であり、美が老いとともにある場所。小町のように、言葉と沈黙の間にあるものを
感じる人にとって、ここは特別な場所になるだろう。
もしあればWABISUKEの世界観にこの詩情を取り入れるなら、
「はねず」「ながめ」「化粧井戸」「百夜通い」などの象徴語を軸に、
若い世代にも響く静かな物語を編むことができます。