STORIES

  • ポケットの中の京都

    ポケットの中の京都 旅に出なくても、特別な体験がなくても——ふとした瞬間に、心の奥で「京都」がそっと息づくことがあります。 たとえば、小さながま口を開いたとき。そこに広がる色と柄に、和の空気をまとった自分を見つける。それは、手のひらに宿る小さな記憶。忙しさの合間に、静かに思い出される“京都の...
  • 素材の声を聴く  帆布という" 耐える美"

    素材の声を聴く——帆布という耐える美 帆布(はんぷ)という素材に、あなたはどんな印象を抱くだろうか。分厚く、ざらりとした手触り。素朴で、どこか懐かしい風合い。トートバッグやエプロン、テントや船の帆など、日常と冒険のあいだを行き来するこの布には、静かに語りかけてくるような力強さがある。 帆...
  • WABISUKE、きゅんの美学

    WABISUKE、きゅんの美学。 静けさの中に、ふと胸が高鳴る瞬間がある。それは、誰かの仕草かもしれない。風に揺れる暖簾の影かもしれない。あるいは、手に取った器の釉薬に、微かな光が差したときかもしれない。 WABISUKEが大切にしているのは、そうした「きゅん」の瞬間。それは恋のときめきだ...
  • 恋する伝統、WABISUKE

    恋する、WABISUKE。 それは、静かに胸が高鳴る瞬間。目にしたとき、感動したとき、心の奥で「好き」が芽吹く。WABISUKEの世界には、そんな「恋」のような感情が流れています。 伝統に恋する。それは、過去を懐かしむことではなく、未来にときめくこと。古くて新しいものに、心ふわりと揺れる。...
  • 静けさの中に息づくもの - 法然院にて

     静けさの中に息づくもの ― 法然院にて 東山の麓、哲学の道をそっと外れた先に、ひっそりと佇む寺院がある。 茅葺きの山門は、苔に調べられ、まるで時の流れを吸い込むように静かだ。その門をくぐると、音は消えた風、ささやきと鹿威しの「コーン」という響きだけが、心の奥に届く。 ここは、浄土宗の開祖...
  • 光の沈黙 - 金閣寺に学ぶ、時を超える美

    「光の沈黙──金閣寺に学ぶ、時を超える美」 静寂の中に、金が呼吸する。 京都・北山の静かな池畔に佇む金閣寺。 正式には「鹿苑寺」と呼ばれるこの寺は、室町初代三代将軍・足利義満が1397年に建立した山荘「北山殿」を起源とし、彼の死後、禅寺として生まれ変わりました。 三層構造の舎利殿は、それぞ...
  • 銀閣寺にて、ひかりと影のあいだに

    銀閣寺にて、ひかりと影のあいだに 秋の気配が、京都の空にそっと滲みはじめる頃。私たち、銀閣寺の庭に立ちました。 苔むした石畳を踏みしめるたび、時の粒子が足元でほどけていくような感覚。この場所には、語られぬ言葉が満ちている。 それは、室町の静寂。 足利義政の孤独。 そして、わび・さびという美...
  • しばしば、しあわせ。〜柴犬と暮らす毎日〜

    しばしば、しあわせ。〜柴犬と暮らす毎日〜 こんにちは!今日は、世界でいちばん愛くるしい存在(異論は認めません)、柴犬について語らせてください。くるんと巻いたしっぽ、つぶらな瞳、そしてあの「ツンデレ」な性格…柴犬って、どうしてこんなに魅力的なんでしょう? 柴犬ってどんな犬? 柴犬は、日本原産...
  • 【お寿司って、なんでこんなに愛おしいの?】 - 小さな海の宝石たちの物語

    「お寿司って、なんでこんなに愛おしいの?」—小さな海の宝石たちの物語 こんにちは、みなさん!今日は、世界中で愛される日本のスーパースター、そう…お寿司について語らせてください。だって、あの小さな一貫に詰まっているのは、ただの魚とご飯じゃないんです。歴史と職人の魂、そしてちょっぴりのロマンが...
  • たこ焼きは、まるくて、やさしい。

      たこ焼きは、まるくて、やさしい。 たこ焼きって、なんでこんなに可愛いのでしょう。まるくて、ふわふわで、ちょっと焦げ目がついていて。まるで関西のおばちゃんの笑顔みたいに、あったかくて、親しみやすい。鉄板の上でくるくる回されながら、じっくり焼かれていく姿は、見ているだけで癒されます。 外はカ...
  • 能面 - 沈黙の中に宿るもうひとつの顔

    能面──沈黙の中に宿る、もうひとつの顔 「能面のような顔」と聞いて、私たちは何を思い浮かべるでしょうか。無表情。謎めいた沈黙。あるいは、感情を封じた仮面。しかし、能面とは本当に“無”なのでしょうか。  能面とは何か 能面は、能楽の主役「シテ」が身につける仮面です。神、鬼、亡霊、老女──人な...
  • 静けさの中に息づくもの - WABISUKEと能

    静けさの中に息づくもの──WABISUKEと能 能の舞台には、時間が沈殿している。言葉は最小限にとどまり、動きは研ぎ澄まされ、その空白にこそ、深い情念が宿る。 WABISUKEが紡ぐ言葉もまた、語りすぎない。伝えるために、削ぎ落とす。残された言葉が、見る者・読む者の内側に静かに響く。 能にお...