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by kataokatetsuya
茶道具の由来──静寂の器に宿る千年の記憶
茶道具とは、単なる道具ではありません。
それは、時代を超えて受け継がれてきた美意識と精神性の結晶であり、
茶の湯という宇宙を形づくる「静寂の器」である。
茶道具の起源──仏具から始まった茶の器
茶道具の歴史は、奈良・平安時代にまで遡る。
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by kataokatetsuya
静けさの中の宇宙──茶の湯の所作に宿る美
「すっ…」「ことん」「ふわり」畳に足袋が触れる音。茶杓が茶碗に置かれる音。湯気が立ちのぼる気配。それらはすべて、茶の湯の所作が奏でる無言の詩である。
一歩、茶室へ──畳の音が誘う世界
茶室の入り口に立つと、まず空気が変わる。外界の喧騒は、にじり口...
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by kataokatetsuya
午後三時の抹茶と、世界の静かな裂け目について
午後三時、僕は茶室にいた。正確に言えば、茶室のような場所にいた。畳の匂いがして、障子から差し込む光がやけに柔らかくて、そこには時間の流れが、少しだけ違う速度で進んでいるような気がした。
茶の湯というのは、奇妙な儀式だ。湯を沸かして、茶...
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by kataokatetsuya
西陣織──千年の絹が語る、京都の記憶と美
第一章:西陣織の源流──絹とともに渡来した文化
京都の織物文化は、古墳時代にまで遡ります。5〜6世紀、大陸から渡来した秦氏の一族が太秦に定住し、養蚕と絹織物の技術を伝えたことが西陣織の源流とされています。
奈良・平安時代には、朝廷が「織部司(おり...
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