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by kataokatetsuya
色暦|11月2日の色:蜜柑茶(みかんちゃ)
蜜柑の果皮に、ほんの少し茶を落としたような色──「蜜柑茶(みかんちゃ)」は、蜜柑色に茶色みを加えた、煉瓦のような温もりを持つ黄赤色です。大正時代に流行した蜜柑色の余韻を受けて、建築や衣服にも広く用いられた懐かしい色でもあります。
色の特徴
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色暦|11月1日の色:緋褪色(ひさめいろ)
鮮やかな緋色が、陽の光を浴びて少し褪せたような色──「緋褪色(ひさめいろ)」は、赤とも橙とも言えない、褪せた温もりを持つ色。かつては高貴な色とはされなかったものの、現代の目には古風さとモダンさが交差する魅力的な色として映ります 。
色の特徴...
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色暦|10月31日の色:白練(しろねり)
白の、最も澄んだ白── 「白練(しろねり)」は、黄みを掛けた生絹(きぎぬ)から、精錬によって黄みを取り込んだ純白の絹の色。
色の特徴
• 音色:しろねり• 色味:光沢のある純白、黄みのない白• カラーコード(参考値):#FCFAF2 • 色言...
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色暦|10月30日の色:灰白(はいじろ)
白に、ほんの少し灰を落としたような色──「灰白(はいじろ)」は、純白ではない、わずかに黄みや灰みを帯びた白色。その微妙な濁りが、静けさと余白の美を際立たせます。
色の特徴
• 読み方:はいじろ• 色味:灰みを帯びた白、オフホワイトに近い• カラーコ...
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色暦|10月29日の色:木蘭色(もくらんいろ)
木蘭の花のような、やわらかな黄茶──「木蘭色(もくらんいろ)」は、中国渡来の木蘭(モクレン)の樹皮を染料としたことに由来する、わずかに赤みを帯びた黄褐色。香色や黄橡(きつるばみ)にも近い、品のある薄茶系統の色です。
色の特徴
• 読み方:...
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色暦|10月28日の色:薄香(うすこう)
香の煙のように、ふわりと漂う淡い黄茶──「薄香(うすこう)」は、香木の丁子(ちょうじ)や木蘭などを煮出して染めた布に、ほのかに残る香りから名づけられた色。平安時代の貴族たちが好んだ、品のある柔らかな色合いです 。
色の特徴
• 読み方:うすこう...
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色暦|10月27日の色:鳩羽ネズミ(はとばねず)
鳩の羽に宿る、静かな灰紫── 「鳩羽ネズミ(はとばねず)」は、藤色にネズミ色をかけたような、赤みを呈した灰紫色。江戸後期に流行した「○○ネズミ」系のひとつで、知性と沈静の美学を映す色です。
「鳩羽」は山鳩の背羽の色に由来し、『手鑑模様節用...
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10月26日 色暦のひとしずく:芥子色(からしいろ)
芥子色とは
芥子色(からしいろ)は、芥子の種のような黄みがかった色です。
• 境界:からしいろ• 色の印象:芥子の種のような黄色、ぴりっとした余白• 色言葉:刺激、個性、余白、潔さ
芥子色が語る今日の備忘録
10月26日は、秋が終わるつつ...
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色暦|10月25日の色:蒸栗色(むしぐりいろ)
蒸した栗の皮をむいた実のような、ほんのり緑みを帯びた淡い黄色──それが「蒸栗色(むしぐりいろ)」です。
赤茶の「栗色」や「栗皮茶」とは異なり、蒸栗色は炊きたての栗ごはんの中に顔を出す、ほくほくの栗の実の色。食卓の温もりと、秋の台所の記憶をそっと...
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色暦|10月24日の色:紅消鼠(べにけしねず)
紅の匂いを消したネズミ色── 「紅消ネズミ(べにけしねず)」は、紅色の上に墨や黒を重ねたような、灰みがかった赤紫色。江戸後期に流行した「四十八茶百鼠」のひとつで、粋と安心の美学を映す色です。
色の名前「消」「ネズミ」は、どちらも味を感じることを...
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布に宿る記憶──世界の民族衣装と着物の未来
1. はじめに:衣装は文化の記憶装置
人はなぜ、布を纏うのか。寒さを凌ぐため、身分を示すため、儀礼を守るため──その理由は多様でありながら、根底には「記憶を残す」という営みがある。民族衣装とは、単なる服飾ではない。土地の風、祈りの声、祖先の...
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色暦|10月23日の色:褐色(かちがえし)
褐色を返す── 「褐色(かちがえし)」は、褐色(かちいろ)に藍を重ねて染めるという、古代の染色技法に由来する色の名です。
奈良・平安時代には、格式や意識を表す色として用いられ、藍の還元と酸化を飾る「建て染め」によって、深澄んだ陰影と、光の移ろいに...
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