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  • 旅人のまなざし ー 松尾芭蕉とWABISUKEの詩学

      旅人のまなざし──松尾芭蕉と、静けさのかたち ある春の日、京都の町家の梁に、煤けた襖の裏紙がひらりと剥がれ落ちた。そこに記されていたのは、かすれた墨文字の走り書き。誰かの手による、季節のことばだった。 「黄昏の 雨にまぎるる 花の声」 その瞬間、私たちは思った。色や言葉は、記録ではなく記...